祇園祭の屋台巡行がおこなわれなくなり、市民参加の祭りが絶えないようにと、青年会議所主催の「びんずる祭」が、昭和四十六年から毎年八月第一土曜日に、盛大におこなわれている。善光寺本堂に安置されているびんずる尊者にちなみ、しゃもじをもち、各連ごとに曲にあわせて「びんずる踊り」を踊りながら、中央通りと昭和通りを行進する。
第一回は連が約一万人、見物が約九万人だった。翌年には連が二五〇連、約一万五千人に増えた。連ははじめは各町内会の連が多かったが、しだいに会社・企業の連が中心となってきている。平成八年の「二六回びんずる祭」は二三五連、約一万五千人、見物客は約二三万人だった。踊りの連は、ほぼ二五〇~二六〇連、踊り参加者は一万五、六千人とほぼ固定している。会場の関係で、それ以上の連を収容できないというつごうもある。いっぽう、見物客は増加している。開催日は、雨の少ない時季で、雨で中止になったことは一回もない。なお、「びんずる」に四年おくれて「松本ぼんぼん」(古来のぼんぼんの改良型)がはじまり、つづいて、小諸、中野、飯山、塩尻などの諸都市で似たような市民参加の祭りが始まった。