大型店

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昭和二十四年(一九四九)、権堂に丸光百貨店が開業、大型店舗に建てかえようとして地元商店街の同意が得られず、同三十二年、昭和通り(問御所町)に新築移転し、県下初の大型デパートとなった。同三十三年には丸光の筋向かいに丸善デパートが開業、のちながの東急が買収して長野駅前(南千歳町)に移転、駅前商店街の核になっている。

 現在長野市には第一種大規模小売店舗(三〇〇〇平方メートル以上)が約二十あり、うち旧市内にあるのは長野そごう(問御所町、もと丸光)・ながの東急(南千歳町)・はやしべ・長崎屋(北石堂町)・ダイエー(新田町)・イトーヨーカ堂(権堂町)・シーワンビル(南千歳町)・長野ステーションビルMIDORI(末広町)の八店である。第二種大規模小売店舗(三〇〇平方メートル以上三〇〇〇平方メートル未満)は七六店舗あるうち、旧市内はわずか六店である。旧市内の大型店はほとんど駐車場の少ないことに苦しんでおり、すでに郊外移転を決めたところもある。旧市内の古い商店街が衰えて郊外の大型店に客を奪われるのは全国共通の傾向である。ただ、長野駅前周辺は、若者向きの服飾専門店の多いことで人を集めており、権堂周辺は歓楽街として、それぞれ郊外店とは別の吸引力をもっている。

 なお、旧市内の古い商店・問屋で郊外へ大型店として進出したものもある。本久(東町、延享(えんきょう)三年・一七四六創業)が北長野通りへ(昭和四十四年)、炭平(西之門町、慶長(けいちょう)十九年・一六一四創業)が昭和二十七年昭和通りへ、ついで同四十五年に高田、同五十三年には北長池と、しだいに郊外へ移ったのがその例である。