芹田小学校遺跡

188 ~ 189

芹田小学校校舎増改築事業にともない、昭和六十一年(一九八六)長野市遺跡調査会が緊急発掘調査を実施した。これは、芹田地域でははじめての発掘調査となった。それ以前、芹田小学校グラウンド拡張時に箱清水式土器が出土し、また、日詰(ひづめ)では古墳時代の土師器(はじき)が、九反・荒木や文化女子大学附属長野高等学校敷地などからは平安時代の土師器・須恵器(すえき)が出土していた。初の調査で検出された集落跡の一部(住居跡二)は、出土遺物(甕(かめ)・鉢(はち)・高台付坏(つき)土器など、ろくろ調整痕(こん)を顕著に残すもの)から平安時代後半期のものとわかった。住居跡はこの竪穴(たてあな)式住居がふつう一辺四メートル程度なのに比べて、一辺六メートルや八メートルの大形の住居で、面積は四倍の規模を有する。調査の諸記録と遺物は、長野市立博物館に保管されている。