栗田城跡

189 ~ 190

平成二年(一九九〇)旧栗田城跡内にグランドハイツ東公園マンションが建設されることにともなう緊急発掘調査で、磁器・陶器・土器・古銭などが多数発掘された。青磁・白磁・青白磁はすべて中国産のもので、ほとんどが食器類であった。陶器は瀬戸、美濃(みの)産の施釉(せゆう)陶・無釉陶であり、上器はろくろ製のもの、古銭は北宋銭・永楽通宝などであった。これら遺物の製作年代は、一三世紀から一五世紀前半に年代比定されており、中世、この地に居住し活躍した豪族、栗田氏の遺物であろう。


写真1 古瀬戸天目茶碗 栗田城跡の溝の埋土から出土した。長野市内の出土品としては初めての完形品である