一月十五日の朝食に、小豆粥(あずきがゆ)を炊いて豊作祈願をする。粥は熱くても、吹いて食べると田植えの日に強い風が吹くといわれ、吹かずにさまして食べる。十八粥(じゅうはちがゆ)は少し残した粥を、同十八日になり樹木にぬり果実の豊作を祈念するもので、一人が「実をならすかならさぬか、ならすならマンマをくれる、ならさぬならマンマをくれぬ」といい、鉈(なた)で木に軽く傷口をつける。主が「なれよなれよ」といいながら小豆粥を傷口へ箸(はし)で塗りつける。こどもが、「なりますなります」と囃(はや)したて屋敷内の成り樹木をくまなく回る。日詰・母袋・川合新田・北市の一部、七瀬の一部の農家、農家だった家に風習が残っている。