古牧(こまき)地区は、旧長野市街地中央部の東方につづく平坦(へいたん)地で、面積約六・六平方キロメートル、形状はほぼ正方形をなす。南は芹田・大豆島(まめじま)、東は朝陽、北は吉田・三輪の各地区に、西は旧長野市街地に接している。地区の中心にある古牧小学校は標高三五〇メートル、東経一三八度一三分一七秒、北緯三六度三八分一六秒にあたる。
地区の大半は西部山地から流れでる裾花川・浅川の複合扇状地、一部は千曲川・犀川の氾濫原(はんらんげん)で、第四紀新層の沖積(ちゅうせき)土がおおい地味は肥沃(ひよく)である。地区内を裾花川から引く北八幡(はちまん)川・南八幡川が東流しているが、この両堰(せぎ)の水路は裾花川扇状地の傾斜方向へと流れる。上高田・南高田・長池の南縁には、扇状地末端の比高一~二メートルの低い崖(がけ)がつづいている。
東西にのびる旧道の微高地には古くから集落が発展し、その南北の低地は水田に利用され、南向塚(なんこうづか)古墳付近は条里的遺構が比較的よく残っている。当地区が長野市へ編入合併した大正十二年(一九二三)ごろまでは、地区の北西部を斜めに走る信越本線で市街地と画された田園地帯であったが、現在は国道一八号・一九号・四〇六号や県道などが通り、市の中心部と直結し、急速に市街地化が進んでいる。