二 条里の遺跡

234 ~ 234

 古牧(こまき)には、条里的地割りが比較的よく残っている。しかし古牧の条里的地割りについての調査はあまりおこなわれていないので、くわしいことはわからない。

 昭和六十一年(一九八六)長野県文化財保護協会は、稲作跡を科学的に調査するため宮崎大学助教授藤原宏博士らに依頼し、プラント・オパールの試掘調査を初めて実施した。上高田米田一四七七番地の大豆畑(元水田)で、裾花川乱流時代の河床と思われる層まで約三メートルの穴を掘り、各層の土砂を採取してプラント・オパール分析をおこなった。その結果、平安時代以前すでに稲作がおこなわれていた可能性が強まった。近くの南向塚古墳築造年代をも考えあわせると、この地が早くから開けていたことがわかる。