一 立地

272 ~ 272

 三輪(みわ)地区は、旧長野市の東北部に位置する。当地区は、飯綱(いいづな)山を水源とする浅川(あさかわ)によって形成された浅川扇状地(せんじょうち)にある。この扇端部の標高三七〇メートル等高線地帯は、伏流湧水(ふくりゅうゆうすい)に恵まれ、古くから諸集落が発達した。湧水地帯の南縁を裾花(すそばな)川から導水した鐘鋳(かない)川用水が東流する。地区の西部は標高七一二メートルの桝形(ますがた)城山や地附(じづき)山、丘陵地城山公園がのぞまれる。中心を県道長野豊野線(旧北国街道・通称相ノ木通り)が南西から東北に通り、これと平行して長野電鉄が走っている。戦後、県道北長野停車場仲俣(なかまた)線(通称SBC通り)が北部に新設された。

 三輪地区は、市街地から交通の便利な地にあり、昭和二十年代後半から地区の南部を中心に、公営団地をはじめ住宅や事業所が進出してきた。近年は、北部にも住宅・団地の造成がおこなわれ、その交通対策として西部を南北に走る、県道長野信濃町線(通称長野大通り)の道路拡張工事が完了した。この道路は、平成十年(一九九八)の長野冬季オリンピック大会のボブスレー・リュージュ会場への最短道路としても使用される。地区内には近年まで古代条里制の地割り遺構が面影をとどめていたが、それらの遺構は現在道路や町割りとなっている。