湯福川の氾濫

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長野市の北、大峰山と葛山の谷間をくだる湯福川は短い渓流である。平常は細々とした流水であるが、豪雨ともなれば激流となり、災害をしばしば起こした。善光寺や箱清水、大門町一帯のみばかりではない。流水は淀ヶ橋で鐘鋳堰を樋で横断する。少量の流水のときは樋で十分であるが、豪雨になったときは樋では耐えられない。土砂で鐘鋳堰が埋まり、流水は淀ヶ橋・三輪田町に向かって流れ出る。古くから何度となく災害にあっている。昭和十二年(一九三七)七月二十九日の湯福川の氾濫では、横山・相ノ木で二〇戸の浸水家屋が出た(『信濃毎日新聞』)。