首なし地蔵

305 ~ 306

上松地蔵庵の境内に、首のない地蔵が安置されている。伝えには、昔、坂中から加賀行きの飛脚が夜道を通っていると、背後から美女がついてきた。飛脚は恐ろしさのあまり首をはねたが、翌朝その場に戻ってみると、女の首ではなく地蔵尊の首であったという。その地蔵の首が当庵の地蔵のも のであると伝えている。腰から下の難を避けてくれる地蔵尊として参詣者も多い。牟礼(むれ)村に地蔵窪伝説があるが、その内容は当庵に伝えられている話とほぼ同じである。地蔵尊のお告げで水源が発見され、この村に水田がひらかれたとされている。


写真11 地蔵庵の首なし地蔵