社会教育の進展

311 ~ 312

住民による地域の文化や歴史の創造をめざして、公民館活動が始まって四〇年が経過した。昭和六十二年四月、城山中央公民館の三輪分館は、独立して長野市立三輪公民館として新たな出発をした。発足時の事業計画をみると、今までの活動を継承し、家庭・婦人・成人教育など一〇の事業が決定された。家庭教育では「父親通信」が発行された。同年八月には『館報』を創刊、次年度からは年四回発行することも決定した。翌年第一回三輪文化芸能祭が開かれ、芸能部門一五チームと展示部門六〇点余が参加した。平成元年(一九八九)私立長野女子短期大学の公開講座も開設され、地域との連携が深まってきている。また、社会教育関係団体が三八あり、いずれの団体も公民館を利用している。これらの団体相互の連絡・協議と地域文化の創造のために、三輪文化団体連絡協議会が結成された。平成五年度の公民館活用状況は、利用者一三二団体、利用人数は三輪地区内四〇九五人、地区外六三一人で合計四七二六人であった。近年の事業のなかで特色のあるものをみると、「古文書教室」「ボランティア講座」「いきいき子育て教室」「歴史教室」など、また、長野冬季オリンピックをめざして「国際ふれあい教室」「初歩英語会話教室」などが開設され、活発な活動がおこなわれている。

 三輪地区内の地域公民館活動も着実になされている。下宇木(うき)は宇達神社境内でラジオ体操を昭和四十二年から現在までつづけており、上宇木では、同神社の秋期大祭に男女混合成人御輿(みこし)を奉納している。横山前はプランターに花を植え道路に飾る、返目(そりめ)は返目神社の清掃、道路の塵拾い、例会などそれぞれ地域独自の活動がみられる。

 個人の刊行物として霜田厳の『美和神社とその周辺』『近世三輪村史料集』などがある。学校や大学での記念誌も刊行されている。