押鐘(おしかね)の小豆焼き占い

350 ~ 350

「小豆(あずき)焼き占い」の用具を入れた木箱の裏蓋に安政(あんせい)二年(一八五五)と記されている。そのころからつづいている行事であろう。

 正月十五日どんど焼きあとの残り火をとり薪を十文字に組み、そのうえに鉄小皿を載せ、塩をまき清め、小豆三粒を世話番が入れる。見物衆は「アタレバマワレ、アタレバマワレ」とはやす。皿のなかでいられた小豆はくるくる回る。古老や世話番が小豆の回り具合を勘案して、「今年の稲は九分作だなあ」などと判断する。稲・麦・野菜・霜予報から村内泰平などの項目を占う。