一 三才の前方後円墳
三才(さんさい)駅の北、北田子(きたたこ)地籍。長峰丘陵(ながみねきゅうりょう)の南端に前方後円墳がある。自然の尾根を利用し、北東の丘尾(きゅうび)を切断して前方部を修飾構成したもので、後円部を田子川の低地をのぞむ位置に土盛りしている。軸線は北二五度東の方向。全長四七メートル。前方部の端幅二〇メートル、高さが二・五メートル。後円部は直径二八メートル、高さが四・五メートルである。前方部が小さい柄鏡式(えかがみしき)であり、前方部に比べて後円部が高いという古墳時代前期の形式をみごとに保っている。
写真2 三才田子遺跡付近からみた前方後円墳 (右側の山頂)