虎塚

371 ~ 372

上駒沢と東富竹の虎御前に虎塚がある。どちらも曽我十郎の愛人「虎女」を祭った塚で、雨乞(あまご)いの霊石とされている。東富竹の虎塚には虎の分骨があると伝えられていたが、大正十三年(一九二四)に再建されている。上駒沢の虎塚は五道の辻に曽我塚・虎御前社にはさまれて建っている五輪塔で、その型式から善光寺信仰が盛んになった、鎌倉末か室町期に建てられたといわれている。

 五道の辻にはこのほかに、雨乞いのさいに倒すと、たとえ二、三粒ではあっても雨が降ると伝えられる虎御石(とらごいし)と秋葉社、庚申塔が並んで祭られている。


写真5 虎塚(右)と曽我塚(上駒沢五道の辻)