浅川地区は、飯綱山東山麓(さんろく)から長野盆地にかけて東西八・〇キロメートル、南北五・二キロメートル、面積二四・七平方キロメートルの地区であり、保科(ほしな)、芋井(いもい)についで市内旧町村では第三位の広さがある。南東の一部は長野盆地の平地であるが、大部分は山間地であり、最高地点は市内最高峰の飯綱山(一九一七メートル)山頂直下の海抜一八〇〇メートル地点である。
北は坂中峠を境に牟礼(むれ)村高岡(たかおか)地区に接し、東から南へ三登山(みとやま)山頂を含めて若槻(わかつき)地区・上松(うえまつ)地区に、西は飯綱高原を二分して芋井地区に接している。地区内を浅川・南浅川・駒沢(こまざわ)川が東西に流れて大きく渓谷をつくり、多くの集落はこの渓谷に沿って点在している。
昭和三十九年(一九六四)、県企業局によって造成された浅川団地をはじめ、平野部には多くの団地が造られて急速に住宅化が進んだ。平成十年(一九九八)開催の長野冬季オリンピックのボブスレー・リュージュ・フリースタイルの競技場が浅川中曽根(なかそね)地籍や飯綱スキー場に決定されて以来、県道飯綱高原浅川線の改修、県営浅川ダムの着工、大手企業によるゴルフ場の建設と大規模な開発が続出し、この地区のかつての純農村の様相は一変して、近郊住宅地と飯綱高原を中心とするレジャー観光地へと大きく変貌(へんぼう)している。