一 神社

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 諏訪(すわ)神社 西条 ①祭神 健御名方命(たけみなかたのみこと) ②由緒 拝殿と本殿とのあいだは距離および高低差がかなりある。御霊代(みたましろ)は神面(木造の鬼の顔)。覆屋(おおいや)(安政(あんせい)二年(一八五五)再建の墨書銘あり)のなかにある。本殿は「一間社(いっけんしゃ)流れ造り」(市指定文化財)、古式をよく残した室町時代中期ごろの建物で、とくに向拝(ごはい)柱の面取りが大きい。また向拝柱と母屋柱上の木鼻(きばな)に刻まれた渦巻き模様が特徴。桁隠(けたかく)しの「橘(たちばな)の実」の意匠は優れている。拝殿(入母屋(いりもや)造り)の東横にある松の古株の下から陽石(古式の道祖神)が発掘された。熊野社、宇賀社、烏(からす)宮社、白山社の各石祠(いしほこら)が付近から移され拝殿の東に安置された。鳥居の横のけやきの根元に庚申塔(こうしんとう)(青面金剛像)がある。


図1 西条諏訪神社の図

 朝川原神社 北郷 ①祭神 健御名方命・保食命(うけもちのみこと) ②由緒 北郷村の産土神(うぶすながみ)であり、芋井郷草創の地であるという。境内には彦神別命(ひこかみわけのみこと)(諏訪大社の分神)を祭る石祠もあり、その嫡流(ちゃくりゅう)によって開発されたと伝えられている。また、近在にもまれな立派な陽石・陰石も道祖神として安置されている。社名は「浅川」の村名の由来にもなっており、明治六年(一八七三)郷社に列せられた。

 八櫛(やくし)神社 北郷薬山 ①祭神 少彦名命(すくなひこなのみこと) ②由緒 ブランド薬師として親しまれている。本尊として石像が安置されている。今は神式で行事がおこなわれているが、近世まで薬師如来として信仰された。

 天明六年(一七八六)伊勢神宮の御師(おし)・荒木田久老(あらきだひさおゆ)が参詣して、本尊は神像の少彦名命であると認定してから、のち神社とされた(「薬山の記」)。弘化(こうか)四年(一八四七)の善光寺地震により、岩窟(がんくつ)とともに本殿も落下し石像もなくなったという。現本殿は文久(ぶんきゅう)元年(一八六一)に再建されたものである。参道の十三仏の石仏も、このとき安置された。

 社殿は岩穴に三本の木材を打ち込み、懸崖(けんがい)造りに建立されており、柿葺(こけらぶ)きを模した入母屋屋根である。前面は拝殿で回廊形式である。大正四年(一九一五)、昭和六年(一九三一)、同三十六年に修理された。


写真6 八櫛神社十三仏のうち11番目の阿閦(あしゆく)如来像

 飯綱社 福岡 ①祭神 稲倉魂神(うかのみたま)・金毘羅(こんぴら)神・大姥(おおうば)神 ②由緒 かつて西平にあったが地崩れにより現在地に移し、福岡組の産土神(うぶすながみ)として祭った。延宝(えんぽう)七年(一六七九)幣殿を建てた。境内に秋葉社・明神社の石祠がある。

 伊勢社 西平 ①祭神 天照大神(あまてらすおおみかみ) ②由緒 天平(てんぴょう)年間(七二九~七四九)字日影林の地籍に清水観音の坊所が三六坊あり、そこに勧請(かんじょう)したという。永禄(えいろく)年間(一五五八~七〇)川中島合戦の兵火にあい焼失したが再建され、西組の産土神として崇敬された。飯綱社(保食神(うけもちのかみ))の石祠がある。

 坂中神社 坂中 ①祭神 健御名方命 ②由緒 口伝(くでん)によると、坂城(現埴科(はにしな)郡坂城町)村上義清の家来が上田原(現上田市)の合戦ののち、西条に蟄居(ちっきょ)し諏訪(すわ)の神を勧請した。

 八幡神社 押田 ①祭神 誉田別命(ほんだわけのみこと) ②由緒 切り妻造りトタン屋根の覆屋(おおいや)のなかに「一間社流れ造り」の本殿(昭和三十三年(一九五八)九月二十三日再建)がある。総けやき造り、欄間(らんま)やわき障子に竜や松の彫刻。地すべりにあい覆屋の梁(はり)と額のみ助かったという。石造鳥居は寛政(かんせい)八年(一七九六)の建立である。神社名を氏子は八幡宮と称している。

 石塚八幡神社 東条 ①祭神 誉田別命・息長足姫命(おきながたらしひめのみこと) ②由緒 口伝によれば、慶長(けいちょう)年間(一五九六~一六一五)住民移住当時からの産土神で八幡神を祭った。

 伺去神社 伺去(しゃり) ①祭神 猿田彦神 ②由緒 口伝によれば、昔は伺去真光寺村の総産土神であったが、年々地崩れが多かったために、慶安(けいあん)四年(一六五一)現在地に移し伺去組産土神として奉斎(ほうさい)した。

 白山神社 清水 ①祭神 伊弉那岐(いざなぎ)神・伊弉那美(なみ)神・菊理姫神(くくりひめのかみ) ②由緒 清水集落は真光寺村の新田集落であるが、清水観音の建立とともに本村(もとむら)の真光寺村から元文(げんぶん)年中(一七三六~四一)勧請し、清水集落の産土神として祭った。

 白山神社 真光寺 ②祭神 菊理姫命(くくりひめのみこと) ②由緒 言い伝えによれば、観世音の霊場があって寺務職天台宗真光寺という。白山社を守護神として白山妙理大権現(ごんげん)と称す。永禄(えいろく)・天正(てんしょう)の甲越戦のとき、観世音が兵火で焼失、明治二年権現の称を廃し白山神社と改称する。

 諏訪神社 台ヶ窪 ①祭神 健御名方命 ②由緒 霊仙寺(信濃町)権現の一ノ宮と称された。旧西条村台ヶ窪組の産土神

 諏訪神社 畑山 ①祭神 健御名方命 ②由緒 旧北郷村畑山組の産土神

 諏訪神社 門沢 ①祭神 健御名方命 ②由緒 旧北郷村門沢組の産土神

 八幡神社 三ッ出 ①祭神 誉田別尊 ②由緒 旧北郷村三ッ出組の産土神

 諏訪神社 中曽根 ①祭神 健御名方命 ②由緒 旧北郷村中曽根組の産土神

 八幡社  一ノ瀬 ①祭神 誉田別命 ②由緒 旧北郷村一ノ瀬組の産土神