小島境遺跡

540 ~ 540

富士通長野工場内の小島境遺跡は、昭和五十七年秋と五十八年春の二度にわたって発掘がおこなわれた。古墳時代前期の竪穴(たてあな)住居跡群が発見され、そのうち三軒から玉生産に関連した出土品があった。玉を磨いた砥石(といし)、玉の未完成品、原石・剝砕片(はくさいへん)などである。砥石は大人のこぶしより一まわり小さい大きさで、表に三本、裏に一本の溝が刻まれている。原石は、緑色凝灰(ぎょうかい)岩と鉄石英である。四世紀ころの玉造りの工房跡と推定される。このほか、古墳時代の周溝墓五基も確認された。