二 寺院

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 長命寺 真宗本願寺派 南堀(みなみぼり) ①本尊 阿弥陀如来(あみだにょらい) ②山号 足立山 ③由緒 開基西念坊道祐は信州の井上氏の出身で、親鸞(しんらん)の弟子となって武蔵国足立郡野田に一寺を創建した。西念坊は一〇八歳まで生きたので、本願寺三世覚如から長命寺の号をあたえられたという。三世のとき信州駒沢に帰り、七世のとき布野に移って、元禄(げんろく)十二年(一六九九)現在地に移った。二十四輩の第七番として、参詣者が多い。旧寺内に、来迎寺(創立元禄十三年)、長仙寺(創立永禄(えいろく)十三年・一五七〇)、西敬寺(創立永禄十三年)の三寺がある。


写真12 長命寺本堂 門の前には堀がある

 常岩寺 曹洞宗 石渡(いしわた) ①本尊 釈迦如来(しゃかにょらい) ②山号 興隆山 ③由緒 永禄九年高山信叟が開基創建した。信叟は沼田から移り石渡館跡に住んだ三右衛門の弟、金箱信叟寺・押鐘盛伝寺・吉田天周院を創建または中興した。


写真13 常岩寺 石渡

 地蔵寺 曹洞宗 石渡 ①本尊 延命地蔵尊(えんめいじぞうそん) ②山号 延命山 ③由緒 安永(あんえい)六年(一七七七)別峯宗見によって創建された。開基は小山田主膳(石渡村の知行主)。現在の本堂は、弘化(こうか)四年(一八四七)の善光寺地震で倒壊後、安政(あんせい)六年(一八五九)再建されたもの。明治六年(一八七三)、当寺で新徳学校が開校した。

 蓮開庵 曹洞宗 北尾張部 ①本尊 延命地蔵尊 ③由緒 元は蓮開寺といい、宝暦十三年(一七六三)顕宗が開山となって創建されたという。明治六年廃寺となったが、同十六年宮沢孝全尼が入庵して中興開山となり、蓮開庵となった。

 常恩寺 曹洞宗 北長池十二 ①本尊 釈迦牟尼仏(しゃかむにぶつ) ②山号 法輪山 ③由緒 元和元年、快法元慶が、師法山宗憧(ほうざんそうとう)(信叟寺三世)を開山として創建した。享保三年(一七一八)雲竜によって中興された。境内の十二観音は、厄除け観音として信仰を集めている。武田信繁(信玄の弟)の守仏だったというが、寛政三年(一七九一)長沼津野の小口弥太郎によって耕地で発見されたという。

 陽莟(ようがん)庵 曹洞宗 北屋島 ①本尊 阿弥陀如来 ③由緒 松代藩士の娘青木浪江(陽莟院)の菩提を弔うため、福島村西福寺二四世惟誉弁悦が享保二十年に開山した。当初は浄土宗であったが、明治後曹洞宗の尼庵として再興された。昭和四十五年現在地に移転。

 円西庵 曹洞宗 南屋島 ①本尊 阿弥陀如来 ③由緒 開基の円西は井上氏の出身で、諸国を巡錫(じゅんしゃく)したのち、綿内に庵を構えて永正十七年(一五二〇)に入寂したという。元禄九年現在地に移ったといわれる。当初は浄土宗であったが、明治三十七年ころ曹洞宗の尼庵として再興された。