善光寺瓦の出土

583 ~ 584

善光寺旧本堂跡から出土した古瓦(がわら)と同じ紋様の瓦は、田子東沢地籍や吉に以前から発見されており、東沢には良質の粘土も産出しその窯跡(かまあと)も見られる。さらに、田中土京山中腹には昭和二十八年の野尻湖引水の水道管工事のさい発見された田中遺跡があり、ここからも多くの善光寺瓦が出土した。同五十六年、県道バイパス工事にともなう発掘調査により、上野村西地区の住居跡のうち、とくに平安時代のもの一〇ヵ所からは、善光寺瓦といわれる軒丸瓦や軒平瓦が出土した。ほかに破損瓦や焼き損じ瓦も数多く出たことから、ここは瓦窯に関係した人たちの住居跡とも考えられている。