俳諧

611 ~ 612

松木可厚(かこう) 檀田(まゆみだ)の人。文政(ぶんせい)から嘉永(かえい)にかけて信州を代表する俳人の一人で、江戸の鈴木道彦や一茶とも大いに交流があった。文政四年(一八二一)には『しなのぶり』を編集して一茶にも贈っており、当時編集されたこの地方のおおかたの俳句集には可厚の句が入っている。

桜井土音(どおん) 東条の人。大正初期から高浜虚子に師事して「ホトトギス」派の俳人として名をなしており、太平洋戦争中、長野療養所慰問に来長した虚子は、晩年の土音宅を訪れて「土音健在村一番の稲架(はぜ)作り 虚子」の句を短冊に書いて健在を祝した。