一 立地

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 安茂里(あもり)地区は、犀(さい)川が長野盆地へ流れ出る開口部の左岸に位置し、北の富士ノ塔山(九九二メートル)・旭(朝日とも書く)山(七八五メートル)から南を流れる犀川(三六七メートル)までの、南向きの傾斜面と河岸の平坦(へいたん)部とからなっている。北は小田切地区と尾根で接し、南は犀川をへだてて川中島・更北地区と対し、東は裾花(すそばな)川が南流して旧市街地と境をなしている。面積は一三・九一平方キロメートル、東西三・八キロメートル・南北三・四キロメートルである。

 旭山中腹の平柴(ひらしば)地区を除くと古くからの集落の多くは、山麓(さんろく)の旧大町街道に沿って細長くつづいていた。かつては洪水の難をさけるため鉄道線路より南には住宅は見られなかったが、近年は宅地化が進み、河岸の平坦部一帯から山腹の傾斜地へと広がっている。国道一九号とJR信越線・新幹線が、平行して東西に走る。昭和六十年(一九八五)、地区のほぽ中央にJR安茂里駅が新設された。

 一帯は裾花凝灰(ぎょうかい)岩地帯でところどころ白い山肌が見え、沢ごとに流れ出る川は天井川(てんじょうがわ)となっている。気候は温暖で、田植えは県下ではもっとも遅いがそれでも収穫は可能である。戦前は長野市近郊の農村であったが、戦後になって団地がつぎつぎに造成され、急速に市街地化が進んでいる。