一 神社

678 ~ 679

 志奈埜市(しなのいち)神社 小市(こいち) ①祭神 健御名方命(たけみなかたのみこと) 八坂刀売命(やさかとめのみこと) ②由緒 小市の産土神(うぶすながみ)。明治四十一年(一九〇八)、山神社・秋葉社、飯綱社・三社権現、住吉社、瀬附社を合祀(ごうし)した。瀬附社はもと小市の渡船場の近くにあり、住吉社とともに犀(さい)川の水難防止と渡しの安全を祈願したものである。境内の三社権現は戸隠権現を祭る三体の木像であり、雨乞いの神事で知られている。

 犀川神社 西河原 ①祭神 大山咋命(おおやまくいのみこと)・大山祗命(おおやまつみのみこと)・大物主命(おおものぬしのみこと)・健御名方命・天照大神(あまてらすおおみかみ) ②由緒 久保寺の産土神。古くは日吉山王(ひえさんのう)社(本社は比叡山の地主神)で、窪寺(くぼでら)郷が天台山領だった時代の勧請(かんじょう)ではないかといわれる。文政(ぶんせい)七年(一八二四)に現社号になる。祭りに奉納される太神楽(だいかぐら)・杜花火(もりはなび)は近在に知られており、ともに市の無形民俗文化財に指定されている。神像は平安時代の作と伝えられ、石造りの神猿像は元禄(げんろく)十六年(一七〇三)に寄進されたものである。また、拝殿には文政七年・天保(てんぽう)十三年(一八四二)奉納の日吉神社祭礼の絵馬二面がある。


写真5 杜花火の準備がととのった犀川神社

 小柴見神社 小柴見(こしばみ) ①祭神 健御名方富命 ②由緒 小柴見の産土神 小柴見村では古くは、北組は平柴の諏訪神社の、南組は中御所の笹焼神社の氏子と分かれていた。寛政(かんせい)七年(一七九五)、従来諏訪平にあった諏訪明神を裾花(すそばな)川の洪水を避けるための川除(かわよけ)明神として祭り、南北両組を合わせた小柴見村の産土神とした。本殿は文化(ぶんか)十年(一八一三)の再建。明治十一年社名を小柴見神社と改めた。

 諏訪神社 平柴(ひらしば) ①祭神 健御名方命 ②由緒 平柴の産土神。明治四十一年朝日山神社・神明宮・天神社・秋葉社を合祀した。境内には古墳や彰徳碑がある。

 伊勢宮神社 伊勢宮 ①祭神 天照大神 ②由緒 ここには古くから伊勢宮があり、川除大明神(天保十四年書上)として信仰されていたが、明治になって他へ移っていた。伊勢宮団地発足後、住民の間から神社がほしいという声があがり、昭和四十五年(一九七〇)に創建、団地に生まれた神社として注目された。春秋の祭りは、こどもの日・敬老の日におこなわれる。

 また、同六十一年には杏花台(きょうかだい)に杏花台神社(祭神九頭竜権現)が創建された。