一 立地

710 ~ 711

 小田切(おたぎり)地区は、北は裾花(すそばな)川を隔てて芋井地区に、東北の隅は茂菅(もすげ)地区に、東は不動沢と山嶺で安茂里地区に、南は犀(さい)川を隔てて共和(きょうわ)・信里(のぶさと)地区に、西は保玉沢(ほたまざわ)・隠沢(かくれざわ)をもって七二会(なにあい)地区に、北西は山嶺をもって旧柵(しがらみ)村に境している。

 地区の最高峰旗古(はたご)山は、標高一一六八メートル、富士ノ塔山は九九二メートルで、この山をつなぐ東西の鞍部に、枇杷(びわ)峰(七八〇メートル)四辻(八一〇メートル)があり南北を結んでいる。東西約五・九キロメートル、南北約五・六キロメートル、面積約一八・四二平方メートル、旗古山と小田切発電所との標高差は約八百十メートルで、急斜面の山地に四九の小集落が点在している。

 小田切地区は、第三紀の海成層からできている。富士ノ塔山付近は、およそ七〇〇~八〇〇万年前の海底火山活動で堆積(たいせき)した流紋岩質の水冷破砕岩や、凝灰岩(ぎょうかいがん)などの裾花凝灰岩層などからなり、その西側には論地(ろんじ)泥岩層の泥岩が分布し地すべりを起こしている。これらの北西側には柵層の大久保砂岩泥岩層が分布し、これも地すべりを起こしやすい。旗古山や千木(せんぼく)の甲(かぶと)山は荒倉山火砕岩層で、火山礫(かざんれき)凝灰岩などの堅い岩からなる地盤である。

 裾花川に沿って国道四〇六号、犀川に沿って国道一九号が通り、村のなかを東西に県道小川長野線、南北に入山小市線が通じている。