裾花鋏の開発

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明治三十八年(一九〇五)、裾花(すそばな)川に長野電灯株式会社の芋井発電所が設置され、出力二五〇キロワットで送電を開始し、同年四月四日に岩戸・清水の両集落にはじめて電灯がともった。北信では茂菅(もすげ)発電所につぐ、きわめて早い時期のものであった。

 昭和二年(一九二七)には、裾花鋏が新日本百景の峡谷の部に選ばれ、善光寺仁王門の西に標石が建てられた。両岸の絶壁には不動滝・五色滝など大小の滝がかかって峡谷の美が宣伝され、同五年には善光寺温泉が開業した。裾花ダムの建設によって裾花峡はその姿を変えたが、五色滝はのちに裾花橋のたもとに復元された。

 裾花ダムは、発電・上水道用水・治水の多目的ダムとして、昭和四十五年に長野県企業局によって建設された。同四十三年には取り付け道路が完成して、裾花大橋が架けられ、入山地区の交通網は飛躍的に改善された。