七二会(なにあい)地区は陣場平(じんばだいら)山(一二五七・五メートル)の南斜面の傾斜地に立地し、麓(ふもと)には犀(さい)川が東流している。斜面をくたって保玉沢・泥沢・清水沢・除(よけ)沢などが犀川に流れこんでいる。面積一六・四平方キロメートル、東西四・七キロメートル、南北三・三キロメートル、ほぼ正方形である。北は陣場平の尾根を境に上水内郡戸隠村、西は千原沢・裏沢をはさんで同郡中条村、東は保玉沢を境に小田切地区、南は犀川を境に信更(しんこう)町と信里(のぶさと)地区に接している。
土地は第三紀層の肥沃(ひよく)な土壌で、標高四〇〇~九〇〇メートルの傾斜地に、よく耕された田畑と三〇ヵ所以上の大小の集落が散在している。戦後までほとんどが農業を営み、養蚕と麦・豆の主産地であった。昭和三十年代後半から農業離れが目立って長野市街への通勤者が増えてきた。近年は県道小川・長野線、戸隠・篠ノ井線が整備され、とくに犀川沿いの国道一九号の改修がいちじるしく進み、長野市街への通勤が容易になった。最近は古間団地の造成にも成果をあげ、郊外的な宅地化の傾向がいっそう強まっている。
七二会地区のほぼ中央に市場(いちば)集落がある。そこに長野市七二会支所や七二会小・中学校、公民館などが集まっている。小学校の位置は東経一三八度四分五二秒、北緯三六度三七分三〇秒、標高六〇六メートルである。