一 神社

811 ~ 812

 葭雰(よしきり)神社 陣場平 ①祭神 保食神(うけもちのかみ) ②由緒 陣場平(じんばだいら)の東峰一二四七メートルに位置する俗称「飯綱さま」。飯綱山の前宮と伝えられている。参道には老松・古杉が風雪に耐え繁っている。五月十一日坪根・倉並地区による例祭がある。

 守田神社 古間 ① 祭神 正殿 守達(もりた)神、左殿 大碓神(おおすのみこと)・久延毘古神(くえひこのかみ)・事代主神(ことしろぬしのかみ)、右殿 建御名方神(たけみなかたのかみ)・誉田別神(ほんだわけのかみ)・素盞男命(すさのおのみこと) ②由緒 延喜式(えんぎしき)内社という。弘安(こうあん)元年(一二七八)社地崩壊のため現地に移す。旧地を元宮という。「天平巳年 守田神」と刻まれているという石祠(いしほこら)がある。延徳三年(一四九一)春日大膳大夫惟久(ただひさ)が二一ヵ村総鎮守と定め、上杉景勝が名刀を献進したという。寛永(かんえい)十四年(一六三七)真田家から社領高四石を与えられた。文化九年(一八一二)神階正一位に昇叙され、昭和九年(一九三四)十月八日県社に昇格、同十五年に昇格記念碑を建てている。

 四月二十一日の例祭には氏子(古間・五十平(いかだいら)・倉並・瀬脇・橋詰上・平出・坪根)の年番による伝統的な七二会の三大祭りの一つ「武者ねり」がおこなわれていた。

 秋葉神社 平出 ①祭神 火産霊命(ひあかりのみこと)・磐長姫命(いわながひめのみこと)・大物主命(おおものぬしのみこと)・誉田別尊・天照大神(あまてらすおおみかみ) ②由緒 春日氏の鬼門除(よけ)の神社という。古くはけやきの大樹が繁り清水が湧出。火伏せの神として崇敬されていた。高井鴻山(こうざん)書による五反幟(のぼり)がある。

 飯縄神社 大久保 ①祭神 保食神・武甕槌命(たけみかづちのみこと)・天照大神・磐長姫命・大日宣命(おおひるめむちのみこと)・伊邪那岐命(いざなぎのみこと)・伊邪那美命(いざなみのみこと) ②由緒 順徳天皇の皇子知足院の勧請(かんじょう)という。天福(てんぷく)元年(一二三三)萩野城主伊藤豊前守忠縄が当社に保食神を祭り、「飯綱の法」を修めたという。

 春日山神社 遠見 ①祭神 建御名方命・八坂刀売命(やさかとめのみこと) ②由緒 もと御射山(みさやま)諏訪社という。伝承によれば延徳(えんとく)元年(一四八九)春日大膳大夫が再興したという。明治十四年(一八八一)八月現社号に改称、同十七年八月上田中にあった水春(みずはる)神社を合祀(ごうし)した。境内には宝徳(ほうとく)元年(一四四九)春日伊与守盛貞寄進とされる石灯籠や観月会の月見堂、木花開耶姫命(このはなさくやひめのみこと)碑、納締処(のうていしょう)(舞台)などがある。太神楽には獅子狂言「葛の葉子別れの段」がある。

 諏訪神社 大安寺 ①祭神 建御名方命 八坂刀売命 ②由緒 伝承によれば明応(めいおう)年間(一四九二~一五〇一)春日大膳大夫が二の久保に八坂刀売命、一の久保に建御名方命を勧請。万治(まんじ)年間(一六五八~六一)二の久保の宮を一の久保の宮に合祀、柴宮諏訪明神とした。明治六年(一八七三)に現社号に改称する。

 春日丘(かすがおか)神社 笹平 ①祭神 息長足比売命(おきながたらひめのみこと)・天穂日命(あめのほひのみこと)・菅原道真公 ②由緒 春日氏の勧請という。文化(ぶんか)十五年(一八一八)八幡社を現社号に改称した。