二 寺院

813 ~ 814

 正泉寺(しょうせんじ) 曹洞宗 平出 ①本尊 釈迦如来(しゃかにょらい) ②山号 霊宝山 ③由緒 寛永(かんえい)五年(一六二八)臥雲院(中条村)の二世安室正盛(あんしつしょうせい)を勧請開山とした。弘化(こうか)四年(一八四七)善光寺地震により崩落、寺堂が押し流され明治初め第一四世仏眼活宗(ぶつがんかつしゅう)が旧地より東の現在地に再建した。

 久昌(きゅうしょう)寺 曹洞宗 知足院 ①本尊 釈迦牟尼仏(むにぶつ) ②山号 天長山 ③由緒 寛永五年臥雲院の第二世安室正盛を勧請開山とした。弘化四年善光寺地震で堂宇が押し流され再建した。

 性乗寺 曹洞宗 岩草 ①本尊 釈迦牟尼仏 ②山号 冨景山 ③由緒 寺伝によると、返目村(長野市)の性剰寺が小坂の空き寺善蔵寺に移り、春日氏の女が善蔵寺にはいり、性乗尼と名乗る。天正十一年(一五八三)寺域崩壊のため現在地に移り開基性乗尼の名をとって寺名とした。安曇の大沢寺(だいたくじ)八世南室正頓(なんしつせいとん)を開山に勧請(かんじょう)し寺容が整った。松平忠輝から除地四石をあたえられた。末寺には松参寺・白心庵・栽松院・梅林庵・岩井堂がある。平成四年(一九九二)寺史『性乗寺』を刊行する。

 大安寺 曹洞宗 大安寺 ①本尊 釈迦牟尼仏 ②山号 長興山 ③由緒 康安(こうあん)元年(一三六一)春日氏の開基という。開山は雷峰妙霖禅師(らいほうみょうりんぜんじ)。臨済宗の七堂伽藍(がらん)と三願寺・陽福寺・自慶寺・法性寺・善福寺・不動庵・少林庵の七ヵ寺を建立し隆盛をきわめた。しかし、武田・村上の争いでことごとく焼失。弘治(こうじ)年間(一五五五~五八)春日左衛門太夫の庇護(ひご)により、安曇の大沢寺八世南室正頓(寿頓)を招き中興開山、曹洞宗となる。慶長(けいちょう)九年(一六〇四)朱印領二〇石を受領する。

 正源寺 浄土宗 笹平 ①本尊 阿弥陀如来 ②山号 渓豊山 ③由緒 弘治二年(一五五六)領主春日修理太夫の開基、開山は天蓮暁誉(てんれんぎょうよ)。慶安四年(一六五一)朱印領一二石をあたえられる。文政(ぶんせい)七年(一八二四)境内に諸堂・石仏を建立、安置し、念仏道場として盛んであったという。江戸の増上寺大宣(だいせん)和尚も正源寺に弟子入りしていた。寺裏は春日氏の居城篠平(ささだいら)城跡、境内に明治初めの文昇学校跡碑、昭和六十年(一九八五)一月二十八日に起こった日本福祉大学スキーバス遭難者の供養堂もある。

 本性(ほんしょう)寺 曹洞宗 坪根 ①本尊 釈迦牟尼仏 ②山号 黒沼山 ③由緒 貞享元年(一六八四)僧寒月の開基、松代の長国寺末派という。