どんど焼き

830 ~ 831

一月十五日は道祖神前でお注連(しめ)(松飾り)を焼く「どんど焼き」がある。岩草では朝から公会堂に集まって、直径一〇センチメートル、長さ一五メートル、うち中央九メートルに藁(わら)と紙垂(しで)をたらした左縄の注連をつくる。それを性乗寺の山門わきにある道祖神前の古い注連と取り換え、そこで「どんど焼き」をしている。


写真14 岩草のお注連

 戸倉では勧進元の家に集まって、檜(ひのき)の台におんがら(麻殻(あさがら))を焼いた炭灰をのせ、そこによもぎの「もみ棒」を立てて、四人交替でもみつづけて火を起こす。この火種を使って「どんど焼き」をし、また、各自家へもっていき夕食やお灯明の火種にして家内安全を祈っている。


写真15 戸倉の「どんど焼き」の火種起こし

 倉並では中心棒を立てて、そこに松飾りの注連を取りつけた「巻上(まきあ)げ」を作る。また、松の枝を足にし、にんじんとじゃがいもを使って男・女を作り、紙の着物を着せて顔をかいた「よめ・むこ」人形を作る。それを道祖神に供える。また、「初嫁に長寿を祈る道祖神」「伝統の松竹よせて小正月」とか、各自思い思いの書き初めをして、それを竹に結びつけ「巻上げ」に取りつける。夕方、「巻上げ」に火がつけられ「どんど焼き」となる。心棒が燃え倒れた方向のものは縁起がよいとされ、「よめ・むこ」を焼くことになっている。