三 村名「川田」の由来

887 ~ 887

「川田」の地名は「川の曲」の意で、千曲川の流路から起こった地名という。『大言海』によると「ワダ」は「曲がって水のよどむところ」とある。川田条里的遺構のある水田地帯は往古千曲川の湾曲していたところである。「小出」は中世、川田本郷、一説には保科本郷から出郷した小集落に由来し、「牛島」は大室牧の牧域であったといわれ、牛を放牧した島であったところから地名がついたという。

 江戸期に入って川田宿が置かれ、宿場のある町川田村と東川田村・小出村・牛島村の結びつきは深まった。そのうえ、四ヵ村とも松代藩領であった。こうした歴史的な背景があったので、明治期の合併における新村名「川田」の呼称に対しては、小出村も牛島村もこだわらなかったという。