一 立地

928 ~ 929

 保科地区は市の南東部に位置する。東は須坂市仙仁(せに)町、西は北部から南部にかけて松代町大室(おおむろ)・寺尾(てらお)・東条(ひがしじょう)・豊栄(とよさか)と境し、北は若穂綿内(わかほわたうち)・若穂川田(かわだ)、南は真田町の菅平(すがだいら)高原に接している。北方に向かって開けているが、三方は山地に囲まれている。東部は北より南にかけて太郎山(標高九九六メートル)・熊窪(くまくぼ)山(一二五三メートル)が、西部は北より南にかけて奇妙(きみょう)山(一○九九メートル)・堀切(ほりきり)山(一一五七メートル)・保基谷(ほきや)岳(一五二九メートル)の山稜(さんりょう)が弧を描くようにこの地区を取り囲んでいる。全長およそ一二キロメートルの保科(ほしな)川と、その支流の赤野田(あかんた)川がこれらの山の谷水を集めて北西に流れ、中流域に河岸段丘と扇状地をつくっている。


写真1 和田山より望む保科の集落の中心部 (坂口鶴雄提供)

 耕地は、標高三五〇~七〇〇メートルのあいだに分布し、保科川・赤野田川の扇状地や周辺崖錐(がいすい)が主要耕地である。集落は、保科川沿いに上流から持者(じしゃ)・山内(やまうち)・高岡(たかおか)・外山(そでやま)(袖山(そでやま))・引沢(ひきざわ)・久保(くぼ)・町滝崎(まちたきざき)・在家(ざいけ)・須釜(すがま)・矢原(やばら)がある。赤野田川沿いには上流から赤野田(あかんた)・八幡(はちまん)・高下(こうげ)・和田(わだ)がある。地区内を保科川沿いに主要地方道長野菅平線が縦貫し、沿道近くには牡丹(ぼたん)で知られる清水(せんすい)寺や、保科温泉がある。農山村地域ではあるが、若穂川田にかけて若穂団地、西部に白塚(しろづか)団地が造成されて、長野市街地や周辺市域のベッドタウン化も進んでいる。

 面積三三・七九平方キロメートル東西六・八キロメートル、南北五・五キロメートル、世帯数一〇四六、人口三七二九人。