一 遺跡と遺物

933 ~ 933

 若穂の歴史は保科高岡から始まったと推定されている。高岡小山平(こやまだいら)遺跡では、およそ一万二千年前の旧石器時代末の有舌尖頭器(ゆうぜつせんとうき)(石槍)が出土した。縄文時代になると、高岡・蓮花(れんげ)に約六千年前の縄文前期の遺跡が見られる。上和田宮崎からは後・晩期の敷石住居跡が検出され、土偶(どぐう)・鉢(はち)・壺(つぼ)などの縄文土器をはじめ、石鏃(せきぞく)・石棒・磨製石器・耳飾りなど出土している。弥生時代に入ると、笹平ロープ岩洞穴遺跡から弥生土器や動物の骨が採集され、高下・白塚・八幡・大成谷(おおなりや)・蓮花に木材加工のための大型蛤刃石斧(はまぐりばせきふ)が単独出土している。和田片山祭祀(わだかたやまさいし)遺跡からは、挙手人面土師器(はじき)・高坏(たかつき)・器台・坩(るつぼ)および無彩の壺などが出土している。また、この遺跡の付近から素環頭太刀(そかんとうたち)(市指定文化財)・内反太刀(うちぞりたち)も出土している。