一 立地

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 長野駅の南南西九・三キロメートルの位置に篠ノ井(しののい)駅がある。篠ノ井はこの篠ノ井駅とともに誕生し、発展してきた町である。大字の布施五明(ふせごみょう)・布施高田・御幣川(おんべがわ)・会(あい)・横田の五地区からなっている。

 北は篠ノ井岡田地区、東北は川中島町、東は北から篠ノ井東福寺(とうふくじ)地区・松代町清野(きよの)地区に接している。南は千曲(ちくま)川をへだてて更埴(こうしょく)市に、西は南から篠ノ井塩崎・同二ッ柳(ふたつやなぎ)・同石川・同信里(のぶさと)地区と境している。

 地域の大部分は犀川(さいがわ)扇状地のきわめて緩やかな傾斜面で、かつては豊饒(ほうじょう)な二毛作の美田が広がっていた。

 布施五明西部の瀬原田(せはらだ)区の大部分と柳沢区は、茶臼(ちゃうす)山地の東斜面である。かつては北隣の茶臼山山腹と同じような地滑り地帯であった。平均斜度三〇度ほどの傾斜地にリンゴ園が広がっている。御幣川の西部と布施五明の平坦(へいたん)部には、隣接する塩崎・川柳(せんりゅう)(石川・二ッ柳)地区に広がる千曲川の後背湿地帯(こうはいしっちたい)のつづきがみられる。

 南端の横田地区は千曲川の形成した自然堤防である。砂壌土(さじょうど)で野菜や果樹の栽培がさかんである。

 気温は市の中心部と大差はないが、冬季の降水(雪)量は少ない。東経一三八度八分三二秒、北緯三六度三四分一一秒、標高三五五・二メートル(通明(つうめい)小学校)。東西三・六キロメートル、南北約三・一キロメートル、面積六・三九平方キロメートル。