石造地蔵菩薩坐像

13 ~ 14

 市指定文化財。安山岩質(あんざんがんしつ)の一石丸彫(いっせきまるぼ)りの座像である。像高六四センチメートル、台座をふくめた総高は八〇・五センチメートル。円頂で衲衣(のうえ)と袈裟(けさ)に裳(も)をつけ、左の掌(てのひら)に宝珠(ほうじゅ)をのせ、右手は五指を曲げてものをにぎる形をとっている。全体に肉付きがよく力強さに満ちている。慈悲の表情のうちに威厳を秘めている。眉(まゆ)・目・耳や衣紋(えもん)の構成にすぐれた技法がみられる。木彫りの手法にならって指の先までていねいに彫られている。室町時代中期の作である(口絵写真参照)。