戦後の改革

41 ~ 41

戦後の社会にもっとも大きな影響をあたえたのは農地改革であった。昭和二十二~二十四年にかけておこなわれたこの改革は、農村における地主・小作の主従関係を断ち農村の封建意識を崩壊させ、農民の勤労意欲を高めるうえで大きな意義があった。篠ノ井では不在地主の耕地は全部、在村不耕作地主の保有限度を六反歩、在村耕作地主の保有限度を一町八反歩として、それ以上は政府が買いあげて小作人に売りわたした。地主の保有限度は、長野県の八反歩・二町六反歩にくらべて少なかった(『更埴地方誌』)。解放価格は水田で一反歩一〇〇〇円前後で、当時の闇米一斗(一八リットル)の値段にもおよばなかった。

 戦後の政治の改革で新しい行政機関も設置された。昭和二十三年の警察制度の改革で自治体警察が誕生した。

 昭和二十九年、自治体警察が廃止されるまで篠ノ井には国家地方警察の更級地区警察署と篠ノ井町警察署が同一の場所に存在していた。二十三年には保健所も設置された。二十五年には電報電話局が開局された。