共和(きょうわ)地区は川中島平の西縁部にあって、犀川扇状地の扇頂部に位置している。背後には茶臼(ちゃうす)山(七三〇メートル)・城山(五四〇・八メートル)・郷内山(六六四・五メートル)などの山々が南北に連なっている。中尾山付近や高松沢付近には裾花凝灰岩(すそばなぎょうかいがん)の白い山肌がみえる。城山の鞍部(あんぶ)には臼池がある。
面積は八・九八平方キロメートル、東西三・五キロメートル、南北四・〇キロメートルで、ほぼ長方形をなしている。北は犀川をへだてて小田切・安茂里地区、南は篠ノ井布施五明・布施高田、東は川中島町四ツ屋・今里・今井・原、西は茶臼山の稜線をはさんで篠ノ井山布施・有旅に接している。道路は共和地区を南北にはしる犀口下居返(しもいがえり)線と、北部を東西に通る県道小松原川中島停車場線がある。また犀川沿いには国道一九号がはしり両郡橋(新橋)で小田切地区と結んでいる。平成九年(一九九七)三月には小松原トンネルが開削され、国道一九号長野南バイパスが開通した。
集落は、篠ノ井小松原地区には犀口・北組・中組・南組・段ノ原。岡田地区には新田・本組・古町・中町・南町・深町・大門・築地などあわせて一三ヵ所ある。そのうち山の中腹にある新田を除くと、ほぼ県道犀口下居返線に沿って集落が発達し街村をなしている。小松原地区と岡田地区の境あたりが共和地区の中心地になり、小学校・保育園・公民館・警察官駐在所・園芸農業協同組合・JAグリーン長野共和支所などがある。共和小学校の位置は東経一三八度八分、北緯三六度三五分五〇秒、標高三七五メートルである。
犀口から玄峯院付近にかけて活断層が想定されている。中尾山には単純硫黄泉の鉱泉がある。付近の山々から発して南流する岡田川は天井川であったが改修され、茶臼山の地すべりも防止策がなされている。平坦部では犀川から取水する上中堰(じょうちゅうせぎ)によって水田がよく発達し、山麓(さんろく)の畑地は早くからリンゴが栽培され「共和のリンゴ」として全国的に名声が高く、近年まで水田の果樹園化がすすんでいた。