天照寺銅製御正体
中組 御正体(みしょうたい)を一般に懸仏(かけぼとけ)というが掛鏡ともいう。天照寺の御正体は銅製で、鏡板の径三〇・三センチメートルの円形。中央に蓮弁(れんべん)の蓮台に胎蔵界(たいぞうかい)大日如来坐像、両脇に水瓶(すいびょう)が鋳出されている。まわりは蒲鉾(かまぼこ)型の二重円圏で縁を取り、上方と下方に三つずつの珠文を配している。両耳は鬼板状の獅子面となっている。伝来は不明であるが一説に同所にあった不断寺のものという。室町時代のものらしい(『更埴地方誌』)。
写真5 天照寺の御正体(懸仏)