小松原伊勢社 小松原 ①祭神 天照皇大神 ②由緒 社標に「国史現在布施御厨(みくりや)皇大神宮」とある。また、付近に神宮から派遣された吏員の官舎跡という大夫殿屋敷地籍がある。宮殿は木曾義仲造営、布施頼直再営と伝えられている。また川中島の戦いで社殿を焼失したが、布施一郷一六ヵ村で再建したともいう。松代藩から社領三石一斗五升が寄進されていた。大正十五年(一九二六)四月の小松原大火で全焼し、昭和の不況時ながらも氏子と滝沢浅太夫の寄付金で、昭和十一年(一九三六)三月本殿・拝殿・御神門を竣工(しゅんこう)した。平成八年(一九九六)十月十日の式年遷宮祭は、小松原五地区氏子の神楽・宝船・こども御輿(みこし)でにぎわった。社殿は神明造り、主要建物には神門・宝蔵庫・社務所などがある。
花井神社 中尾山 ①祭神 花井遠江守(とおとうみのかみ)吉成・花井主水(もんど)義雄 ②由緒 吉成と義雄は親子、吉成は慶長八年(一六〇三)松平忠輝にしたがって松城に入り城代となる。領内街道の改修と開発、裾花川の改修、犀口三堰(さいぐちさんせぎ)の開発など親子とも尽力したという。昭和四十四年(一九六九)十一月花井親子の功績をたたえ、滝沢重太郎および関係者によって神社が創建された。
岡田伊勢社 岡田 ①祭神 天照皇大神 ②由緒 岡田八地区の産土神(うぶすながみ)。古くは布施御厨に属し深町に鎮座。その後、川中島合戦の戦火で神殿は残らず焼失したという。現在地には元禄二年(一六八九)九月、神殿・拝殿・鳥居を新築して移っている。嘉永七年(一八五四)四月拝殿および諸殿の再建を決める。安政三年(一八五六)十月拝殿、明治十二年(一八七九)九月鳥居、同二十六年十月本殿を再建した(神社明細書)。