岡田小松原道は小市の渡しに通じる道で、小市道ともいう。信濃国府と越後国府を結ぶ古代の東山道支道では曰理(わたり)の駅(うまや)を岡田にあてる説もある。小市の渡しは松代領内の七渡しの一つ。四ッ屋裏・小市間に位置していた。のちに小松原裏・真神(まがみ)間に移っているという。天明三年(一七八三)八月本洗馬(もとせば)(塩尻市洗馬)から善光寺を往来した菅江真澄(すがえますみ)は小松原村を通って小市に出ている。『善光寺道名所図会(ずえ)』では篠の井追分(篠ノ井塩崎)から小市渡しへの道として「二ッ柳・布施五明・岡田河原・段ノ原・小松原」をあげている。明治十一年(一八七八)両郡橋がかけられ、小市渡しの役目は終わった。