寛保二年戌の満水

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七月二十八日からの豪雨は、八月一日(この年七月は二十九日まで)夜から二日にかけて、前代未聞の大洪水となった。松代藩の被害も流死一二二〇人、流失家屋二千五百余軒におよび、耕地の冠水八五ヵ村で損耗高(被害額)三万九五〇〇石となり、藩内の約四〇パーセントが収穫皆無となった。藩は、幕府から金一万両の拝借や国役普請金納入の一年延期を願いでている(『県史近世』⑦)。

 東福寺地区もつぎのような大きな被害となった(『更級郡誌』寛保水害表)。

  小森村  男女一一人流死   二九戸流失  田畑全部浸水

  東福寺村 男女一三人流死   四一戸流失  田畑全部浸水  馬一頭流死

  中沢村  男一人・女二人流死 四戸流失   田畑全部浸水