栽培技術の向上とともに西寺尾農業の近代化に大きな貢献があったのは、圃場(ほじょう)整備事業の進展である。昭和四十一年、松代町西寺尾地区で農業構造改善事業として九五ヘクタールにおよぶ圃場整備事業がおこなわれた。新しく開かれた農道には農耕機械が行き交うようになった。
昭和四十九年、アンコウ堰(せぎ)改修工事が始まった。屈折が多く土砂の堆積(たいせき)がひどい堰の改修であった。工事が進捗(しんちょく)するとまわりの圃場を整備する必要が生じて、杵淵北沖地区圃場整備事業に発展した。昭和六十一年に完成、一六ヘクタールの圃場が整備された。これらの事業により、圃場には大型機械の導入が容易となり、経営改善が大きく前進した。