信里(のぶさと)地区は川中島平の西縁部の山地に位置し、茶臼山(七三〇メートル)の稜線をはさんで、北西斜面の篠ノ井山布施(やまぶせ)と南東斜面の篠ノ井有旅(うたび)の二つの地区からなっている。北は犀川をへだてて七二会(なにあい)・小田切地区、東は篠ノ井小松原・岡田、南は篠ノ井布施五明(ごみょう)・石川・信更町赤田、西は信更町下平・宮平・桜井・氷ノ田(ひのた)に接している。面積一三・四二平方キロメートル、東西四・〇キロメートル南北六・〇キロメートルと、広い地区である。
山布施側の斜面には横手沢と八竜沢(はちりゅうざわ)を支流とする山布施沢と、秋古沢(あきござわ)が犀川に、有旅側は滝沢川が岡田川に流れこんでいる。また、有旅側は起伏のあるやや緩やかな傾斜地で、灌漑(かんがい)用の有旅大池・名知不池(なしらずいけ)やゴルフ場もできている。この両斜面を通る県道戸隠篠ノ井線は地区の重要路線であって、南は篠ノ井市街に通じ、北は村山で国道一九号と交わり、犀川にかかる明治橋(村山橋)で七二会地区と結んでいる。また、有旅からの県道安庭篠ノ井線は信更町安庭で国道一九号と交わっている。この両線ともカーブの多い道路である。
集落が一五ヵ所に散在した農村地帯である。肥沃(ひよく)な土壌に恵まれ天水や沢水を利用した溜池(ためいけ)が多く、山地の割りに水田が多い。畑作は主にリンゴであるが、たばこ・アスパラガス・トマトなどの商品作物も栽培されている。長野・川中島・篠ノ井・屋代の市街地への通勤が容易である。少子高齢化がすすみ近年は遊休農地の活用が問題になっている。両斜面に接する尾根と県道戸隠篠ノ井線の交差する青池集落は地区の中心地である。そこに長野市信里合同庁舎・信里警察官駐在所・信里小学校・青池保育園などがある。小学校の位置は標高六六七・六メートル、東経一三八度一分八秒、北緯三六度三九分二八秒。篠ノ井市街との標高差は約三〇〇メートルで眺望のすぐれた場所となっている。