茶臼山陣営跡

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茶臼山(七三〇メートル)は篠ノ井山布施・有旅・岡田にある山。寛政九年(一七九七)刊の『甲越信戦録』に、永禄四年(一五六一)川中島の戦いで武田信玄が本陣を構えたところという。昭和十三年(一九三八)四月、史蹟茶臼山保存会により藤沢直枝撰文ならびに書の「陣址(じんし)之碑」が建てられた。碑文には、信玄は八月二十四日有旅に出て「……茶臼山ニ上テ陣営ヲ布(し)ケリ、地ハ川中島ノ西方ニ位シ拠テ以テ敵ノ後方ヲ断ツベク頂上古址二登レバ里余ノ内、遥ニ妻女山ヲ観望スベシ……」と記し、とどまること四日にして山を下り、海津城に入って九月十日謙信との激戦になったとしている。『町村誌』は陣営跡には水除け堀切三ヵ所、旗塚多数が残っていると記すが、今は南峰が地すべりのため崩れ、わずかに旗塚といわれるあとが残っている。


写真3 茶臼山の「陣址之碑」