木造伝子安荒神坐像

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村山 大正四年(一九一五)三月二十六日旧国宝指定、現重要文化財。村山(山布施)の三宝寺(荒神堂)に安置されている。檜(ひのき)材の寄せ木造り、彩色の女身像で像高五五・四センチメートル、足を組んで座っている。頭にずきんのようなものをかぶり、髪を中央から左右に振り分け肩や背中にたらし、微笑を浮かべ能面のような顔立ちである。右手に蓮華(れんげ)をもち、着物の襟を広げ胸ふところには左手で裸の乳飲み子(高一六・〇センチメートル)を抱いている。全体を胡粉地(ごふんじ)彩色し、髪とまゆ、目は墨彩、顔と体は肌色、唇は朱で、肩衣は紺青地に朱と金泥で雲の文様が描かれている。衣には草花が散らし書きされている(写真6参照)。