茶臼(ちゃうす)山は北峰(きたみね)(標高七三〇メートル)と南峰(みなみみね)(標高七二〇メートル)が並んでいた。南峰の頂上にはお天ご様という古峰山神社があって、明治十七年(一八八四)神社の庭に地割れができた。その後、東側山腹がしだいに沈下し、頂上をふくめて地すべりを起こした。拝殿は有旅の篠井神社の社務所に移転改築した。茶臼山山腹を流れていた滝沢川と宇土沢(うどざわ)は、新田(篠ノ井岡田)付近の不動島をはさんで流れ、直下で合流していた。昭和七年には地すべりの土塊はその川に沿って、泥流化し速度を速めて移動するようになった。そのあとも緩急を繰りかえし地すべりはつづいていた。同五十年ころにはようやく安定するようになった。
地すべり跡地内の約三三ヘクタールは長野市で借地し、長野市制八〇周年記念事業として、茶臼山自然動植物園の建設を計画した。同五十二年七月茶臼山自然植物園、同五十五年七月恐竜公園を開園した。茶臼山動物園は地すべり地外に隣接して、篠ノ井有旅に二四億円を費し、同五十八年八月開園した。ゾウ・トラ・ライオン・キリンから小動物まで、哺乳類・鳥類あわせて六八種・三六〇点(平成十一年三月)を飼育。県下最大の動物園となっている(第三章「共和」参照)。