大蛇窪とつかみ石

291 ~ 292

十二の停留所右下の付近に大きな窪地(くぼち)があった。人びとはこれを大蛇窪(だいじゃくぼ)と呼んでいた。また、有旅の動物園入口の上あたりには、手の形の跡がある大きな石(約一・五メートル)がある。「つかみ石」という。大蛇窪は天照大神(あまてらすおおみかみ)が天の岩屋にかくれたため暗やみになったことから、ふたたび入らないよう力持ちの手力男命(てぢからおのみこと)が岩戸を取りはずし、戸隠へもっていくときの足跡とか、岩戸を戸隠へ投げたときに足をふんばってできた足跡とかいわれる。さらに手力男命は水を飲みたくなったので、腹ばいになって犀川の水を飲んだら、のどに石がかかったので、手を口に入れて取りだし投げた石がつかみ石であるという。そのとき石に手の形がついたのだという。十二と笹鍋の間にある中山誉神社の祭神は戸隠神社の祭神と同じである。