清野(きよの)地区は市の南縁部にあり、千曲川の右岸に位置する。南部の鞍骨(くらほね)山と千曲川とにはさまれ、東西に広がる地域で、妻女(さいじょ)山を境にして東部の清野、西部の岩野に二分される。東の清野地区は自然堤防と低湿地からなっていて畑地と水田に分かれ、岩野地区は河岸堆積(たいせき)台地の上にある畑作地帯である。
南は山の尾根で更埴市倉科・土口(どぐち)と接する。北を千曲川が流れて東福寺・西寺尾との境となっていたが、流路の変化にしたがって、岩野地区の一部は千曲川の左岸までのび、逆に猫(ねこ)島など東福寺地区が右岸へ入りこんでいる。東は離山(はなれやま)や馬喰(ばくろう)町の道路で松代と接する。
国道四〇三号が地区内を東西に貫通し、自然堤防上を長野電鉄河東線がほぼ並行して走り、東に象山口駅、西に岩野駅がある。また千曲川には赤坂橋・岩野橋の二本の橋がかかり、篠ノ井方面に通じている。集落は岩野地区は一かたまりの塊村(かいそん)であり、清野地区は山裾(すそ)に点在する散村であったが、近年は国道沿いに商店や住宅が進出してきた。清野地区は農業技術の先進地域で、この地方ではもっとも早く地下水による灌漑(かんがい)施設やビニール栽培を取り入れ、野菜や花卉(かき)栽培がさかんである。平成五年(一九九三)に長野自動車道が開通して、近くに松代パーキング・エリアができた。清野地区の面積は五・五七平方キロメートル、清野小学校の標高は三六二メートルである。