松井須磨子

332 ~ 332

清野の越出身の近代劇の女優で本名は小林正子。はじめ坪内逍遥(しょうよう)の文芸協会演劇研究所の一期生となる。第一回公演「ハムレット」のオフェリア、第二回「人形の家」のノラ役を演じて好評を博し、芸名を松井須磨子とした。のち島村抱月(ほうげつ)とともに芸術座を興して、新劇運動を推進した。「復活」の劇中歌「カチューシャの唄(うた)」は全国に大流行したが、大正八年(一九一九)、抱月病死のあとを追って自殺した。林正寺に演劇碑が、墓は生家にある。


写真10 林正寺にある松井須磨子の演劇碑