洋学

386 ~ 386

佐久間象山ははじめ漢学者だったが、西洋の学問の必要を感じ、三四歳のとき蘭学に詳しい黒川良庵(りょうあん)を同居させ蘭学を学んだ。オランダの原書から直接得た知識で大砲の鋳造などをおこない、また兵法を教授し、勝海舟・吉田松陰など多くの優秀な弟子を養成した。

 村上英俊(えいしゅん)は妹が九代幸教の母だった関係で藩医となり、象山のすすめでフランス語を学んだ。象山と同じく藩主幸貫の援助をうけて研究、幕府の蕃書調所(ばんしょしらべしょ)教授、翻訳掛になった。化学にも通じ、薬品、氷砂糖などに新製品を開発した。