東条(ひがしじょう)地区は、長野市南東部の山沿いに位置し、北は尼巌(あまかざり)山、東は奇妙山、南は皆神(みなかみ)山と三方を山に囲まれ、堀切山を頂点として、いちょうの葉の形をして北西へ向かって傾斜している。南部を東から藤沢川が、西部を南から蛭(ひる)川(以前の関屋川をもふくめていう)が北流して小規模な扇状地をつくり、下流部は天井川となっている。皆神山の北のふもとからは七つの泉とよばれる湧水(ゆうすい)があって地域をうるおし、そのうち大日堂わきの松井の泉は大日池に貯留されて灌漑(かんがい)用水池となっている。藤沢川・蛭川の下流は低湿地で、つねに二川の氾濫(はんらん)におびやかされ、いっぽう、東部山地の中腹から山麓(さんろく)には石を積んだ段々畑が多く、干ばつに苦しんだ。
北は尼巌山、東は奇妙山の尾根で寺尾・保科に接し、南は皆神山で豊栄(とよさか)に接し、西は蛭川・用水・道路で松代の市街地に接している。東条地区の面積は八・一八平方キロメートル、東条小学校の標高は三六五メートルである。
集落は東の尼巌の山腹から山麓にかけての傾斜地および裾野(すその)の平坦地(へいたんち)に散在し、一部は松代の市街地につづいている。近世以来、松代郊外の農村であったが、一部は城下に接した士族町であった。以前は藤沢川下流の平坦地には住宅はみられなかったが、近年は皆神台・松代温泉などの団地ができ、長野市のベッドタウンとして宅地化がすすんでいる。松代地区では人口の増加がもっともいちじるしい。