明治二十二年(一八八九)の新村発足にあたって、「(合併町村地域には)地名や郷名に依るべきものがないので、五ヵ村中の大村である東寺尾村の名をとり、そこから東を抜いて村名とした」という(『長野県市町村合併誌』)。『更級郡誌』によると、「寺尾」という地名は応和(おうわ)年間(九六一~九六四)ここに東福寺という大寺があったのでつけられたというが、根拠は明らかではない。「高白斎記(こうはくさいき)」天文(てんぶん)十九年(一五五〇)の項に、「寺尾ノ城」とあるのが地名の初出である。「大室」の地名は、この地域に多い古墳の塚穴から生まれたといわれるが、大村の意味だとする説もある。「牧島」は大室牧の牧場の島で、微高地上に位置し、洪水のときは島になるという。